【ギャルゲー一本釣り!!】第35回は「星織ユメミライ Converted Edition」を紹介!“等身大の恋物語を多彩な演出とグラフィックで描く”

イチオシのギャルゲーを大ボリュームで紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。第35回はプロトタイプより2016年8月10日に発売されたPS Vita用ソフト「星織ユメミライ Converted Edition」の魅力をお届け!

三度の飯よりギャルゲーが大好きな私が己の煩悩の赴くまま旬のイチオシゲームを紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。今回はプロトタイプさんより2016年8月10日に発売された「星織ユメミライ Converted Edition」を紹介しますよ!
ビジュアルアーツのゲームブランド「tone work's」より2014年に発売されたWindows用ソフト「星織ユメミライ」に新規イベントCGを追加し、PS Vita版としてリリースされた「星織ユメミライ Converted Edition」。初々しい恋愛を描く「スクール編」と、ヒロインと結ばれてからの日々を見ることができる「アフター編」と、ふたつの夏でラブストーリーを楽しむことができます。
実際にゲームをプレイしてみたところ、オーソドックスなテキストアドベンチャーゲームとしての魅力を備えつつも、現在のトレンドを意識した要素を盛り込むことによって、非常にバランスのよいゲームに仕上がっていました。そのあたりのポイントを中心に、私ならではの視点で紹介していければと思います!
と、その前にまずはいつもどおりストーリーとキャラクターの紹介から。6人のヒロインはそれぞれの魅力を持っていますので、まずは第一印象から気になるヒロインのルートをプレイしてみるのもいいのではないでしょうか。
■ストーリー

あなたは、季節外れの転校生。数年ぶりに帰ってきた故郷・汐凪市で待っていたのは、たった一人の天文部員と、間近に迫った七夕祭り。
幼なじみとの再会や、新たなクラスメイトとの出会いを経験しつつ、「学校生活をもっと楽しく!」するために、彼女たちと「行事運営委員会」の一員として、賑やかな日々を送ることに。
そんな中、ふと気付くのは、彼女たちの抱えるささやかな夢。その夢に寄りそううち、あなたに芽生えるのは、ある願望。
彼女たちと、恋人同士になりたい。そして、いつまでもずっと一緒にいたい。
ある夏の日から始まる、未来への恋の物語。

■キャラクター

日野 涼介(名前変更可能) 
このゲームの主人公。いつも和やかで、軽妙な性格。一方で責任感が強く、決めたことはまっすぐ突き進む。
手先が器用で、細々とした作業が大得意。建築士になりたいという夢を持っており、転校前は親戚の建築事務所で、住宅模型作りのバイトに励んでいた。
転校後、持ち前の器用さを活かせそうなことと、なんだか楽しそうだという理由で、行事運営委員会に加入する。
学年:2年生
逢坂 そら CV:種﨑 敦美 星に想いを馳せる天文少女
「星は変わらない。今も昔も、そしてこの先も。同じ場所でまたたき続ける」
たった一人の天文部員。立ち入り禁止の屋上に繋がるカギを持つ唯一の生徒。物静かで口数も少なく、感情をあまり表に出さない。
天体望遠鏡で星を見ている時間が何よりも幸せで、夢中になるといつまでも動かないことも。部活動中はパーカーを頭からかぶり、余計な光や情報を遮断して没頭している。
学年:1年生 
誕生日:1月5日 
血液型:O型 
身長:152cm 
体重:43kg
篠崎 真里花 CV:前田 恵 再会を“やくそく”した幼なじみ
「子供の時はできなかったことも…いまは、なんでもへっちゃら」
転入してきた主人公が再会した、かつての幼なじみ。幼い頃は、喘息のため学校を休みがちだった。主人公が引っ越しをすることになった際、「元気になって再会する」という約束を交わしており、それを守れたことを嬉しく思っている。
大人しくてあがり症な性格だが、人一倍の頑張り屋。幼い頃はほとんど学校で交流できなかったため、いまは同じ時間を過ごしたいと、その後を一生懸命追いかけてくる。
学年:2年生 
誕生日:3月3日 
血液型:A型 
身長:156cm 
体重:44kg
瀬川 夏希 CV:大久保 藍子 瞬間を逃さないクラスメイト
「写真って、過去と今、今と未来を繋げる架け橋みたいなものよ」
卒業アルバム制作委員会所属のクラスメイト。よりよい学園生活を形に残すため、行事関連やイベントでカメラのシャッターをきる。
中途半端な事は嫌いで、白か黒か、YesかNoにこだわる。そのため、ピンボケの写真を撮った時は「死にたい…」とつぶやき肩を落とす。青春を未来のみんなに渡す為、今日もカメラを手に校舎を走り回っている。
学年:2年生 
誕生日:11月30日 
血液型:O型 
身長:160cm 
体重:47kg
沖原 美砂 CV:尾崎 真実 水族館を愛する天真爛漫お嬢様
「私、全力で約束します!あなたを素敵な気持ちにさせることを!」
海と魚、そして自然の雄大さをこよなく愛する、天真爛漫、真面目でちょっぴり変なお嬢様。
父親はかつて水族館の館長を務めており、自身も大の水族館好き。ただ一人の自然科学部部員であり、くらげの飼育観察に励んでいる。
学年:3年生 
誕生日:7月24日 
血液型:B型 
身長:164cm 
体重:52kg
鳴沢 律佳 CV:小野 涼子 自分の世界を奏でるピアノ少女
「理由なんてないわ。1人で弾きたいから弾いてるだけよ」
隣の席のクラスメイト。ほとんど友達付き合いをせず、その交友関係はとても希薄。両親ともに高名な音楽家であり、本人もピアノの腕前はかなりのもの。
しかし部活動に所属する気はないらしく、放課後はいつも、第二音楽室でひとりピアノを弾いている。その音色に癒される生徒も多いが、どうしていつも鍵盤を弾いているのか、その真意は誰にも分からないでいる。
学年:2年生 
誕生日:6月29日 
血液型:A型 
身長:167cm 
体重:55kg
雪村 透子 CV:高田 初美 気まぐれな、もう一人の転入生
「んー…気が向いたらね。考えておくよ、適当に」
主人公と近い時期にやってきた、転入生の女の子。一人だけ学園指定のものとは違う制服を着ており、その整った容姿と相まってとても目立っている。
掴み所のない性格も手伝って、どこか浮いた存在で、あまり周囲とは打ち解けていないが、本人は全く気にしていない様子。何故か閉鎖されている旧館の鍵を所持しており、「この居心地のいい場所を、私が守る」という名目で独占している。
学年:2年生 
誕生日:12月10日 
血液型:AB型 
身長:160cm 
体重:51kg

■プレイインプレッションをお届け!

さて、最初にも触れた通り、本作では現在を描く「スクール編」と未来を描く「アフター編」で構成されています。スクール編ではヒロインたちと出会い、仲良くなっていくまでを描く共通パート、そして「行事運営委員会」として行う七夕祭りの準備を通して、恋人になるまでの過程と、初々しい付き合いたての日々を描いていく個別ルートに分かれます。
まず序盤では久しぶりに故郷に帰ってきた主人公・涼介の目線で、さまざまなヒロインとの交流を楽しむことができます。6人のヒロインはそれぞれの個性を持っていて、再会時から親身になって接してくれる幼なじみである真里花、同じクラスで隣の席になるも、最初は壁を感じさせる律佳など、距離感の違いがそのまま仲良くなっていく過程にも反映されていきます。
    
    
これは個別ルートでも言えることなのですが、本作では等身大の恋愛模様を描くための細やかな配慮があるのが印象的です。それはスマートフォンを用いた表現演出の数々にも現れているのですが、憧れの人のいる建築事務所にインターンの面接を受けに行き、そこで学生生活の重要性を問われたりと、まさに若い年代だからこその日々を描くことに意識を向けているように思いました。
    
その一方で出会いのシチュエーションなどはドラマチックな側面もあり、メリハリのある物語の展開が楽しめます。序盤ではある程度の距離感があるからこそ、少し近づけた時の気付きなどが感じられるのではないでしょうか。もちろん、ヒロイン同士の交流も描かれるので、全体に読みやすいと思います。
    
    
    
そしてスクール編の個別ルートに入ると、それぞれのヒロインとのラブストーリーが、年相応の目線で描かれていきます。ひとりにつき結構なボリュームが用意されているのですが、それだけにヒロインとの関係の積み重ねを、丁寧に表現していくのが好印象です。
私がこの記事を書くにあたってまず最初に選んだヒロインは、たった一人の天文部員であるそらです。口数が少なく、表情からもなかなか感情が読み取りづらい女の子ではありますが、行事運営委員会という立場から一緒の時間が増えていくにつれ、主人公は彼女自身の魅力に惹かれていき、お互いの距離をゆっくりと縮めていくかのように物語が進行していきます。
    

付き合うまでの過程はもちろんのこと、付き合ってからお互いの関係をより深めていく様もスクール編から十分に楽しめます。もちろん本筋のストーリーはあるのですが、純粋にエピソードを積み重ねていくことだけでも学生らしい恋愛模様を大ボリュームで堪能できることでしょう。
    

同時にその魅力を支えているのが、キャラクターの立ち絵やイベントCGはもちろん、そして場所ごとに用意された背景グラフィックをふんだんに使ったビジュアルの美しさです。キャラクターとの距離感も立ち絵の配置などでしっかりと表現しているので、恋人同士になってヒロインと一緒にいる時の距離が縮まっていくとドキドキ感もそれに伴って味わえます。
    
    
    
アフター編に関しては、そうして紡いでいった関係性を基に、同棲、結婚、新婚生活などなど、本当にヒロインごとの切り口を楽しんでいけると思いますので、ぜひ自身でプレイして味わってもらえればと思います。
    
最後に、先ほど触れたスマートフォンの操作に関して、ゲーム中で直接影響することはないものの、実際にタッチスクリーン上で扱うこともできるようになっているのは、PS Vita版ならではだなと思いました。プロトタイプさんのタイトルということで、タッチスクリーン上で基本操作が完結する利便性の良さと併せて、ぜひ試してみてほしいと思います。もちろん、カメラ撮影をするとそのスクリーンショットはちゃんと保存されますので、彼女との思い出作りにもぜひ!
    
第35回、いかがだったでしょうか。Windows版が2014年7月の発売ということで丸2年が経ってはいますが、ちょうどスマートフォンの幅広い世代への普及が進んだこのタイミングでプレイしてみると、より一層キャラクターたちの目線に寄り添うことができるのではないかと思いました。私がプレイしたそらのルートも非常に可愛らしく、主人公と同じタイミングで身悶えていました(笑)。

すっかり期間を空けての更新になってしまっている本連載ですが、私の情熱が尽きないかぎりは続けていきたいと思いますので、次回もご期待いただければと思います。